「新型コロナウイルスのワクチン接種に関する要望書」の提出について

一般社団法人神奈川県がん患者団体連合会は、神奈川県内のがん患者団体の連合体組織として、がん患者団体の連携や活動の促進を図りつつ、がん医療の向上とがんになっても安心して暮らせる社会の構築に寄与することを目的として活動する団体で、加盟団体数は14団体、加盟団体会員総数はおよそ13,000人です。

一般社団法人神奈川県がん患者団体連合会では、2021年6月の総会で加盟団体より要望書提出を求める意見が寄せられたことを踏まえ、神奈川県知事並びに神奈川県内の33市町村長に対して、2021年6月29日付で 「新型コロナウイルスのワクチン接種に関する要望書」を郵送提出しましたので、ご報告します。
>>要望書「新型コロナウイルスのワクチン接種に関する要望書」(PDF)

2021年6月29日


神奈川県知事 黒岩 祐治 様
神奈川県内の33市町村長の皆様

一般社団法人神奈川県がん患者団体連合会

新型コロナウイルスのワクチン接種に関する要望書

新型コロナワクチンの接種については、重症化リスクの大きさや医療提供体制の確保等を踏まえ、「医療従事者」「高齢者」「基礎疾患を有する者、高齢者施設等の従事者」とすることが2021年2月に開催された政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で決定され、「基礎疾患を有する者」については「免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)」などが例示されています。

一方で、2021年5月に放送されたNHK番組において田村憲久厚生労働大臣は、64歳以下を対象とする新型コロナウイルスワクチン接種については、基礎疾患がある人と同じ時期に並行して、一般の人への接種も進められるとの見解を示しました。ワクチン接種については、一人でも多くの人に対して早期に進めることが必要とされており、対象を問わずにワクチン接種を速やかに進めることも必要とされています。現場での医療関係者や行政関係者の皆さまの多大なるご尽力により、ワクチン接種のペースは上がっています。

しかし、現場の皆さまの多大なるご尽力により、ワクチン接種のペースが上がっている一方で、ワクチン接種を希望しているにもかかわらず、ワクチン接種券が届かないためにワクチン接種を未だ受けられていない64歳以下の方々が多数いらっしゃいます。例えば、横浜市では年齢順にワクチン接種券を発送することとしており、20~29歳の人にワクチン接種券が届くのは7月下旬の見込みとなっています。若年成人で基礎疾患を有する人は、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが比較的高いにも関わらず、ワクチン接種券が届かないために7月下旬以降でないとワクチン接種を受けられません。市町村による接種機会や時期の格差も問題です。

現在は、年齢や対象を問わずに速やかにワクチン接種を進めるフェーズにあるにも関わらず、ワクチン接種券が無いためにワクチン接種を受けられない方々がいることを踏まえ、以下の要望を提出します。


●64歳以下のワクチン接種については、ワクチン接種を希望しているにもかかわらず、ワクチン接種券が無いためにワクチン接種を受けられない方々がいることを踏まえ、年齢や対象を問わずに速やかにワクチン接種券を配布すること。

●年齢や対象を問わずにワクチン接種券を速やかに配布することが困難な場合には、2021年2月の政府の第24回新型コロナウイルス感染症対策分科会で示された方針に従い、「基礎疾患を有する者、高齢者施設等の従事者」が不利益を被ることがないように、優先接種の機会等を確保すること。

以上